2010年6月27日

居合道日記 / 業から体系を考える(その1)

私の習っている英信流の業を、個々の業ではなく体系として考えてみたらどうだろう。
ということで書き出してみました。
先生の教えとは異なるところもあるかもしれないけれど、ひとまずの試みです。

・左右の視野角は45°で敵の姿を確認できる。
 →よって、「右」「左」のときの抜き出しはどちらも45°から
 →「後敵逆刀」「後敵抜打」「行違」も、抜き出しは45°から
 →右回りの業(「左」「後敵抜打」)では、身体に柄をひきつけることで、45°方向を向きながらも柄頭を相手の方向へ抜いていく。

・(右足の角度+左足の角度)÷2=へその向き(正面)
・へその向きから上体のみを左右にひねる場合、角度は45°まで
 →「受流」で立つ時に、右足を45°内側へひねることで、上体において左方向へ22.5°の利が生まれる。
 →「受流」以外の業では身体はひねらない。

「眼」と「足」で思いついたこと。まあ、こんなところかな……。
「その2」があるかどうかはわからないけれど、とりあえず「その1」としておこう。

投稿者 utsuho : 23:14 コメント (0) トラックバック (0) | 居合道

2010年5月 7日

居合道日記 / 段位という器

対人戦を行なって優劣をつけることがないため、居合の段位というのは普通稽古を積んでいれば、おおむね定期的にあがるようになっているようです。
ただ、段位というものは与えられても、その段位に見合うだけの中身をそなえないと、段位と実力とが離れていってしまうことになってしまいます。
そういう意味では、段位は器のようなものと考えられるでしょう。

今持っている器に中身が満ちたから、次の器を得るために昇段審査を受ける。というのが本来の姿ですが、なかには、ただ器を得るためだけに昇段審査を受けているような人もいるように思えます。

ちょうど昇段審査の多い季節です。これを機に、器に見合った実力を蓄えるよう、少し心を引き締めて稽古に励みたいと思います。

投稿者 utsuho : 22:18 コメント (0) トラックバック (0) | 居合道

2010年1月 9日

居合道日記 / 初稽古

今日は、居合道の初稽古でした。

私にとっては半年ぶりの稽古になります。
脚も治りきっていないし、久しぶりに刀を振るので、隅のほうで身体の様子と相談しながらやるか……と思っていたのですが。

そうは問屋が卸してくれませんでした。
結局、刀法、正座の部、抜刀法と、普段どおりの稽古をこなすことになってしまいました(苦笑)
とりあえず業そのものはできるまでには回復していました。
ただ、やっぱり左足の踏ん張りと前へ出る力がまだ心許ないですね。

以前の状態まで戻すのは時間がかかりそうだなあ。
その間に変なクセをつけないように気をつけないといけませんね。

投稿者 utsuho : 22:23 コメント (2) トラックバック (0) | 居合道

2009年9月 5日

居合道日記 / 復帰と断念

今月から稽古に復帰しました。
久々に刀を振るので、できることとできなくなっていることを自分の身体と相談しながら、怪我しないように気を使っての稽古になりました。

正座の部と抜刀法は、中断期間があったにしてはまずまずこんなものかな(多少引き攣れるけれど)。
立膝は傷にもろに障るので、まだしばらくおあずけです。
入院期間中におちてしまった腕や脚の筋肉も少しずつ取り戻していかないとなあ。

そういえば、昨年も身体をこわして稽古を中断していました……。
どうにも順調な稽古の積み重ねとはいかずに、崩れては建て直しの繰り返しなのが歯がゆいです。

ということで、今月27日の英信流関東大会には出場しません。この状態で出ても稽古不足を露呈するだけですしね。
見学には行こうと思っています。
今年は私の通っている道場からも多数の選手が参加するので、いい成績を残してくれることを期待しています。

投稿者 utsuho : 23:40 コメント (0) トラックバック (0) | 居合道

2009年8月31日

居合道日記 / 答えに始まり問いに至る

9月から、ようやく稽古を再開できることになりました。
まだ手術跡は輪ゴムで縛られてて引き攣れるのですが、居合はそこまで激しい動きをしないから、なんとかなるかなあ(笑)
私が休んでいる間にも、私の通う道場に新しい練習生が何人か入りましたが、そういう人たちから見たら、「いつもえらそうに見学しているあの人は何者?」といった感じですからねえ。

身体を動かしていない分、またしても、なんとなく上から目線な居合の思考遊びです。

居合の稽古を始める時、最初はまず先生から正しい所作を教わり、その所作をいかに正確にトレースできるか、ということに精力を注ぐことになります。
正しい解として先生の動きというものが与えられ、その通りに動くことができれば、ある程度の段位や成績までは行けると思います。

ですが、そのまま先生の動作をなぞり続けて正確さを上げていくことだけが居合の稽古かというと、決してそういうものではないと思います。
決められた動作ができるようになったら、そこからひとつひとつの動作に込められた意味を意識して理解することが必要になってきます。
これは、業の流れに関してもそうだし、立ち姿や刀への手のかけ方といった細かい所作についても同じことが言えます。

「どうしてこのような動作を行なうか」という問いは、先生が答えてくれるものもあれば、形だけが残って答え自体が失われているものもあります。そうしたものについても、自分なりの答えというものも見つけ出さないといけないと思います。

そこからさらにそういう作業を進めていくと、今度は「最初に先生から与えられた解は、果たして本当に正しいのだろうか?」という迷いにもつながってくるかもしれません。
そのような迷いに対してどう向き合うかは人それぞれだと思いますが、そうして迷えるくらいまで突き詰めて居合をやっていきたいと考えています。

はあ、道はまだまだ遠いです……。

投稿者 utsuho : 15:19 コメント (2) トラックバック (0) | 居合道

2009年7月23日

居合道日記 / 得意な業苦手な業

このたび、10日間ほど手術入院をしていました。別に命にかかわるものではないし、症状も手術も大したことはなかったのですが、創が癒えるまではしばらく居合もできないので、思考を深める方向でつらつらと語ります。

居合をやっているうちに、得意な業や苦手な業が出てくるというのは自然なことだと思います。
昇段審査や大会などに向けては、業を絞って得意な業をより伸ばす方向で稽古をしている方がほとんどだと思います。

ですが、居合の形として想定された状況においては、「苦手な業の状況だったので、上手く抜けずに敵に斬られました」ということはあってはならないことで、ひとつひとつの業は、否応なく与えられた不利な状況下で、それでも生き残る唯一の手段として、編み出されたものだと考えています。

ですから、武術・武道としての居合の稽古の目指す方向としては、得意な業をより伸ばしていくよりも、むしろ苦手な業をなくしてすべての業を生き残るに足る最低ラインより上にあげることが大事だと思います。
それと同時に、ごくたまに会心の一本ができることよりも、百本抜いて百本が同じ業となるような確実性も重要だと思います。

常に敵への備えを怠らないという観点で言うならば、得意な業だ苦手な業だということは、広言しない慎重さも求められるでしょう。

……と、ここまで考えてみましたが、あまりそのことばかりを突き詰めてしまうとそれはそれで面白味がないし、Blogであれこれ発信する楽しみもなくなってしまうので、どこで折り合いをつけるか、ということですね。

私自身を省みれば、苦手な業というのはあまりありませんが、これといって得意な業も思い当たりません。おそらくすべての業が段位並の業といったところではないでしょうか。
……大会でなかなか勝てない所以ですね(苦笑)

投稿者 utsuho : 21:18 コメント (8) トラックバック (0) | 居合道

2009年5月 6日

居合道日記 / 昇段審査

京都会館で行なわれた全日本居合道全国大会にて、昇段審査を受けてきました。

結果は無事に合格。六段になりました。
緊張からか少し足元の覚束ない演武になってしまいましたが、無事に結果を出せてよかったです。

また、多くの人の演武を見ることで自分に足りない部分や、これまで与えられてきたものの多さを確認することができました。
自分の技術をもっと磨いて上を目指すとともに、自分が教えてもらったことを後続の人にもきちんと伝えていかないといけませんね。

以前にお世話になった先生への挨拶はできましたが、私はそもそも交流が少ないのでこういう場所では少し手持ち無沙汰でした。
せっかくの機会なので、もっといろんな方と交流できたらよかったのだけれど……。

投稿者 utsuho : 13:25 コメント (6) トラックバック (0) | 居合道

2009年3月15日

居合道日記 / 袂について

少々思うところがあって、問わず語りに居合語り。

居合をやっている方は、普段どのような格好で稽古をしていますか?
筒袖の胴着の方もいれば、普段から紋付で稽古をしているという方もいるかと思います。
私の通っている道場では、筒袖の胴着の方がほとんどで、そのうちの半数ほどが腕まくりをして稽古をしていました。

居合に対する姿勢は人それぞれでよいと思うのですが……。

ただ、居合において想定される状況というのは、歩行中や座っている場合などいわゆる「平常時」であり、袖がからまないようにたすきがけするなどといった動きやすく戦いやすいようにという準備は許されない状況です。
ですから、柄が袂に絡まったり、振りかぶった時に袂が視界をさえぎるなどといった状況も、当然想定された上で稽古をするべきだと私は考えています。

裾さばき袂さばきも稽古のうちと考え、私自身は普段から袂のある胴着を着ています。
まだまだ、袂ごと鞘を握りこんだり、袖口に柄が入ったり、いろいろと失敗はしますが、だからこそ常に動きにくい状況を意識した稽古ができているとも思っています。

昇段審査や試合の間近になって、着慣れない紋付で袂の扱いに四苦八苦というのは、少々情けないですね……。

投稿者 utsuho : 21:23 コメント (5) トラックバック (0) | 居合道

2009年1月11日

居合道日記 / 2009年初稽古

今日は居合道の初稽古でした。
昨年は体調不良のため、年の後半をほとんど棒に振ってしまったので、あらためて出直す気持ちで……。

久々に居業などをやったら、案の定全然身体が動きませんでした。
まあ、そりゃそうだよなあ。

これからの生活の目標がシンプルライフなので、いろいろなものを切り捨てていこうかと思いますが、さすがに居合は手放せないです。

年をとっても、自信を持って演武ができるよう、まずは一歩ずつ踏みしめて生きたいです。
まずは今年一年、楽しんで居合をできますように。

投稿者 utsuho : 21:32 コメント (4) トラックバック (0) | 居合道

2008年3月 9日

居合道日記 / 全日本居合道連盟 関東支部大会

入間市の入間市武道館で開催された全日本居合道連盟関東支部の大会へ行ってきました。

私の出場する五段の部は午後からなので、午前中は初段、二段の試合を観戦します。
初段や二段といっても、上手な人は本当に上手ですね。

昼食の後、午後の部に入るとすぐに五段の部も始まりました。
結果は……残念ながらあえなく一回戦で敗れてしまいました。

集中力を欠いて悔いの残る演武になってしまったので、反省することも多いです。
いつでも落ち着いて最大限の力を発揮できるようにならないといけませんね。

他の方々の演武を見て学ぶことも多かったので、これを次に活かしていきたいと思います。

投稿者 utsuho : 20:45 コメント (5) トラックバック (0) | 居合道