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2005年2月10日

長野まゆみ / 鉱石倶楽部

長野まゆみ作品といえば、食べ物や小道具に魅力的なものが多く登場します。鉱石もそういった小道具として、あるいは色や質感のたとえとして出てくるわけですが、この本は、そんな長野視点で見た鉱石のお話がぎゅっとつまった本です。

石好きで、食い意地の張った人なら、お菓子のような鉱石を見て「あ、美味しそう」と思ったことが一度はあると思います。長野さんもそういう人らしく、読んでいるだけでよだれの出てきそうなお話ばかりです。アメシストの露から作られた果実酒とか、柘榴石の砂糖漬けとか、一度味わってみたいものです。

一緒に添えられている写真も、奇麗なものばかりで、ぱらぱらと眺めているだけでも楽しめます。アクアマリンの写真なんて、本当にゼラチン質でぷるぷるしていそう……。

石好きの人にはたまらない、長野さんの鉱石への愛情にあふれた一冊です。

投稿者 utsuho : 2005年2月10日 22:28 | 読書 , 鉱石

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コメント

はじめまして、雪芽と申します。
「白鳥異伝」について書かれたブログを検索していて、
こちらのブログに辿り着きました。
そうしたらなんと鉱物のお話が。
マニアックな蒐集家ではありませんし、
知識としては鉱物の固体性よりも、気体のようにぼんやりした感覚に近い程度です。
でも、鉱物は昔から好きなもののひとつ。
「楽しい鉱物図鑑」なんて読むとほんと楽しくて(笑)
たまに素敵な鉱物の写真と紹介文に会いに伺わせて頂きますね。

投稿者 雪芽 : 2006年1月15日 21:07

はじめまして。
コメントありがとうございます。

なんと、「白鳥異伝」の記事を検索してこられて、鉱石の記事に
目がとまったとのこと、どちらも大好きな私としては本当に嬉しい
かぎりです。

この本は、鉱物趣味と長野まゆみさんの想像力が見事に合わさって
いて、石を楽しむのに特別な知識なんかいらないよ、と言っている
ようです。

鉱石の記事の方はちょっとマニアックですが、お付き合いいただけ
れば幸いです。

投稿者 空穂 : 2006年1月15日 22:30

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