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2009年2月11日

小川糸 / 食堂かたつむり

小川糸さんの「食堂かたつむり」を読み終わりました。

失恋の衝撃で声の出せなくなった倫子は、唯一手元に残った祖母の形見であるぬか床を抱えて実家に戻り、そこで「食堂かたつむり」を始める。
メニューはなく、予約は一日一組だけ。
そして、そこで食べた人には幸せが訪れるという噂……。

私はいつも「美味しい物語を読みたい」と思っているのですが……。
残念ながらこの物語は口に合いませんでした。
なので、いつもよりも辛めの感想になっています。

あまりに現実感が感じられませんでした。能書きだけを見せられている感じ。
何の伏線もなく唐突に展開される物語と、出てくる人たちがみんな「いい人」という設定。
すべて状況説明のみで済まされている気がして、そこに真剣味というか本当に人間が生きている様子が感じられませんでした。
これでは、物語に入り込むのはちょっと無理でした……。

出てくる食材や料理は美味しそうなんですけど……、料理で言うなら塩味が足りないというところでしょうか。
きっと、この物語を楽しむには、もうちょっと純粋さが必要なんでしょうね。

投稿者 utsuho : 2009年2月11日 12:27 | 読書

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