2008年12月 8日
有川浩 / レインツリーの国
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有川浩さんの「レインツリーの国」を読み終わりました。
十年前に読んだ「フェアリーゲーム」という本について、他の人のはどう思っているのだろうという思い付きからインターネットで感想を検索する伸。そこでひとみの書いた感想に出会い、伸とひとみのメール交換が始まる。
メール交換を繰り返すうち、伸は実際にひとみと会って話したいと思い……。
「フェアリーゲーム」の悲劇的なラストに対する、伸とひとみの捉え方の違いがそのまま二人をとりまく状況にも重なります。
誰しも人生にままならないものを抱えているもので、そこには他の人からはわからない辛さがあります。
それでも、その辛さを強さに変えて、歓びを引き寄せることができるのだと感じました。
この本は「図書館内乱」とのコラボレーションで、「図書館内乱」では小牧が毬江にこの本をすすめています。
小牧ならずとも他の人に勧めたくなる、聴覚障害者の複雑な心をしっかりと描いた、真っ向勝負の恋愛小説です。
投稿者 utsuho : 2008年12月 8日 17:07 | 読書
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