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2007年6月15日

森見登美彦 / [新釈]走れメロス 他四篇

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森見登美彦さんの「[新釈]走れメロス 他四篇」を読み終わりました。
「山月記」や「桜の森の満開の下」など著名な短編を元にしながらも、しっかりと独自の世界が形作られています。

その中でも、「走れメロス」は特に楽しめました。
友情を証明するためにひたすら走る芽野の姿と、文章の端々にあらわれる破廉恥きわまる桃色ブリーフ。そして何故か印象に残っている須磨さんの猫炒飯。
思わずページを繰る手も早くなりました。

「桜の森の満開の下」は原文を知らないので比較はできませんが、これも印象的な作品でした。
満開の桜の花と対照的な空虚さが文章全体からにじみ出ているようです。
この作品の元となった坂口安吾の作品も気になりますね。

森見さんの作品を読むのはこれが初めてなのですが、独特の文章のテンポもよく、他の作品も読んでみたくなりました。

投稿者 utsuho : 2007年6月15日 22:38 | 読書

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コメント

空穂さん、こんにちは!
「走れメロス」は原作から一捻りして、
奇想天外な追跡劇もあり面白く読みました。
なによりあの桃色ブリーフ(書くも恥ずかし・笑)が強烈です。
森見さんは読むと癖になるんですよ。
猫炒飯の他に猫ラーメンなるものも、
他の作品にはよく登場します。

投稿者 雪芽 : 2007年6月17日 17:49

「健康で明朗」な作品の代表格である「走れメロス」が、あんな作品になってしまうのが面白かったです。
森見さんの作品は、確かに癖になりそうな文章ですね。
猫ラーメンもとても気になります。

投稿者 空穂 : 2007年6月17日 23:21

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