2006年12月27日
荻原規子 / ファンタジーのDNA
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荻原規子さんの「ファンタジーのDNA」を読み終わりました。
ファンタジーにまつわるいろいろなものを荻原さんの目を通して綴ったエッセイ集です。
私はファンタジー好きですが、それほど多くの作品を読んでいるわけではないので、この本で紹介されている作品の中にも、読んだことのないものが多々あるのですが、そんなことはまったく気にならないほどに楽しめました。
丁寧な作品紹介と、そこから一歩踏み込んだ荻原さん自身の考え。
すぐれた物語の読み手であり、また書き手でもある荻原さんの視点にとても感心させられました。
物語の創作にも似たところがあるが、創造の始まりは「ひらめき」と、そのひらめきが追及に値するかどうかをさとる「直感」だという気がしてならない。 歴史学のような文系の学問でなくとも、数学や物理学上の発見であってもおおもとは同じではないだろうか。新しい方程式が正しいという直感がまず先にあり、理論や検証は後からついてくるのでは。 人は、既に知っていることしか発見しないとだれかが言っていたが、それはきっと本当だと、これまた直感で思うことがある。 自分の知っていた何かが、ある日突然新しく、今始めて目にしたように思え、しかも美しく興味深く、魅せられるものになったことを「発見」と呼ぶのだろう。 しかし、直感のほうは、いったいどこからやってくるものなのだろう。 どんなハウツー本にも答えのない、脳神経科学が解明する日もはるかに遠いと思われるものごとではある。 （荻原規子「ファンタジーのDNA」より）
投稿者 utsuho : 2006年12月27日 16:57 | 読書
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コメント
はじめまして。
いつもblogの記事、拝見させて頂いてます。
シュミが驚くほど似てるなあ、と勝手に親近感を抱いてるわけなんですけれど、
この「ファンタジーのDNA」、私も買いました！
読むのが楽しみですー。
荻原さんのエッセイって初めてですよね…。
これからも更新、楽しみにしていますね。
投稿者 椿子 : 2006年12月27日 21:51
はじめまして。
コメントどうもありがとうございます。
私は読書に関してはかなり雑食なので、趣味が似ている方がいるとは、嬉しいですね。
椿子さんのBlogも拝見しました。なかなかの読書家のようですね。
荻原さんのエッセイは、初めてですね。
物語での情感溢れる表現とは違って、少し文章は固めですが、荻原さんの物語世界の奥底にあるものが垣間見えるようで、楽しく読めました。
椿子さんの感想も楽しみにしています。
これからもどうぞよろしくお願いします。
投稿者 空穂 : 2006年12月27日 23:31
こんばんは、空穂さん。
荻原さんは勾玉シリーズしか読んでいませんが、
児童文学？ファンタジー？そんな枠を越えて、
物語としての高揚感、作者が問うもの、キャラの魅力、
どれもが強烈な印象でした。
そんな荻原さんのエッセーは気になります。
直感とひらめきかぁ。
けれどそれを形に変える力、継続するたゆまない努力も、
すごいなと思ってしまいます。
今年もわずかとなりました。
どうぞよい年の初めをお迎え下さいね～
投稿者 雪芽 : 2006年12月28日 21:58
こんにちは。
荻原さんのファンタジー論は、あの「勾玉三部作」があるおかげで、かなりの説得力がありますね。
「空色勾玉」が産まれるまでの裏話のようなものも載っていたり、荻原さんの私的ファンタジーの書き方なんて章もあったりと、いろいろ楽しめる本です。
それにしても、荻原さんの根底を支えているであろう読書量には圧倒されました……。
投稿者 空穂 : 2006年12月28日 23:41
こんばんは、空穂さん。
やっと感想をupしたのでＴＢさせて頂きました。
多くの本についての感想を読んで、また読みたい本が増えてしまったのは、嬉しいやら困ったやら（笑）
読み手である荻原さんの鋭さ、ファンタジーを書くことへの明快な考えと、敬虔であらねばという姿勢が印象的でした。
ほんとうに読んでよかったと感じた1冊で、空穂さんに感謝です。
ありがとうございます(^.^)
投稿者 雪芽 : 2007年1月21日 20:30
こんにちは。
TBどうもありがとうございます。
荻原さんの読書量とジャンルの広さには、本当に目を見張るばかりです。
このエッセイを読んでいると、知らない本がたくさん出てくるのが悔しいです。
荻原さんの文章のおかげで、ストーリーを知らなくてもエッセイは楽しく読めるのですが、やっぱり実際に読みたくなりますよね。
投稿者 空穂 : 2007年1月21日 21:55
