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2006年11月22日

冲方丁 / マルドゥック・ヴェロシティ(2)

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冲方丁さんの「マルドゥック・ヴェロシティ(2)」を読み終わりました。

マルドゥック市全体を巻き込んだ事件は複雑さを帯びて混迷の度合いを深めていくのですが、どうもスクランブル-09のメンバーも、敵役となるカトル・カールのメンバーもキャラクターの個性が弱く、読んでいていまひとつ入り込めませんでした。
題名に反して、加速感がどうにも感じられないんですよね……。
前作「マルドゥック・スクランブル」でも中だるみなところがあったし、冲方さんのストーリー展開のクセなのかもしれません。

今回キャラクターとして際立っていたのは、ナタリア・ネイルズでしょうか。
彼女がニコラスと対峙する場面などはなかなかスリリングで良かったと思います。

次はいよいよ最終巻です。
限界点を超えるほどの加速に期待します。

 死者の姿を目に焼きつけ、ワン・アイド・モスに見送られて外へ。
 自分の車に手をつきながら、フライト刑事は大きく深呼吸をした。 「くそっ、敵がとち狂う速度が、加速しているように思えてならん」
 ふとボイルドは、心のどこかに転がっていたキーワードを思い出した。
「我々も同じだけ加速すればいい。速度変化と加速度の限界値を同時に突破すれば、そこが爆心地になる」
「なんだそれは? 何かのまじないか?」
「冷静さを保つためのな。 メンバーの一人に教えてもらった」
(冲方丁「マルドゥック・ヴェロシティ(2)」より)

投稿者 utsuho : 2006年11月22日 19:43 | 読書

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