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2012年4月23日

居合道日記 / 八方心眼

私は、いわゆる「気」や「気配」といった第六感のようなものを信じません。
居合の型にも「殺気を感じて、その機先を取り」、「後に敵意を感じ振り向きざまに抜き打つ」というような記述が、端々に出てくるわけですが、そもそも気配ってそんなに便利なものではないだろう、というのが私の考えです。

前を行く人の歩幅、後ろを歩く人の足音、季節の空気の匂いと人混みでの人いきれ。
花の匂いに草の香り、砂ぼこりを含む風の味、人の潜んだところから立ち上る熱気。
人間に備わった五感を研ぎ澄ませていれば、視線の外のことであっても意外に周りの状況は把握できるものです。

そうした、視線によらない状況把握をして、「八方心眼」というのかな、と私は考えています。

五感を鍛えるなんていいますが、ちょっと周りに心を配りながら街を歩いて、美味しいものを食べて美味しいと感じ、きれいな花を見てきれいだと感じ、さわやかな風に心をゆだねる。これだけでも充分稽古になると思っています。

投稿者 utsuho : 2012年4月23日 23:08 | 居合道

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