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2011年9月 9日

居合道日記 / 立膝の納刀

ミツヒラさんのところに、このような記事がありました。

変化の過程(立膝の部横雲1)

変化の過程(立膝の部横雲2)

変化の過程(立膝の部横雲3)

この記事によると、納刀時に右足で小さく半円を描く記述はあっても(元々は右足はまっすぐ引く)、最後に左足を右側に寄せる動作はどこにも書かれていないそうです。

ひるがえって、私の納刀時の動作は……
 刀の三分の一ほどを鞘に納めたところから、右足をまっすぐ引く。
 刀の三分の二ほどを鞘に納めたところから、右足で小さく半円を描くように引く。
 左足を内側に折り曲げる
という手順を踏んでいます。

ミツヒラさんには「派手好きは魅了されたのでしょ。」と一蹴されている所作です。

この所作について、浅学な私なりに考察をしてみようと思います。

まず、横雲の抜き打ちまでの動作として
   ・両手がかかる
   ・両膝が詰まり、腰を浮かせる
   ・右足を出し、左足を正対させ、横一文字に抜き付ける
と分解してみます。
特に左膝、左足に関しては「膝を詰める」「左足を正対させる」の2点の動作が入っています。

さて、納刀の際の姿勢ですが、「納刀後、本来ならば、立膝に座るもの」を省略して、現在の蹲踞の形になっているのではないかと考えています。

そういう意識を持って手順を考えて見ます。
  ・右足を引き、右膝を開く
  (この際、半円を描こうが、まっすぐ引こうが、あまり変わらないと思います)
  ・このままの状態だと、右膝が開き、左膝が正対しているため、身体が右前を向くことになってしまいます。
  ・それではよろしくないので、平仄を合わせるために左足にもなんらかの動作が必要になります。
  ・抜き出しのときに「膝を詰める」「左足を正対する」動作をしたのだから、今度は逆に「膝をくつろげる」「左足を内に折る」とするのが正しいのではないでしょうか。なんか、二十一代宗家、二十二代宗家の間を取ったような足さばきになってしまいました。
  ・私としては、左足を寄せる、つまり立膝に座った時と同様に背筋から臀部中心の線の下に左足踵を位置させる必要がある、と考えます。

ここまで考えた上で、さてしっかりとテキストに当たりたいな……。

投稿者 utsuho : 2011年9月 9日 23:23 | 居合道

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コメント

立膝の座りや納刀の際の蹲踞?蹲踞のような所作の残心の形には、不思議な思いがありました。

あまり教えることが得意としない我々の所では、疑問にも感じずに、こう言ったものとただ稽古している方がほとんどです。

その疑問を持たず、口にせずが素直な姿勢と勘違いしているような…。

私の所の立膝の座し方の指導としては、 「その内なれて出来る」だそうですから柚子庵さんのブログは、私が居合を模索する中で、大切なチャンネルです。

以前に、居合を行う際の呼吸方法を、最近2年ぶりに取って付けたように練習にとり入れ始めて笑ってしまった。
柚子庵さんに気付きを与えていただけたのかも知れませんねぇ?

投稿者 月のうさぎ剣士 : 2011年9月19日 08:25

>月のうさぎ剣士さん
私は、よく先生を質問攻めにしています。
時には先生にも「それはおかしいのではないか」と言ったり……。
そういったことを認めてくれる、器量ある先生でよかったと思っています。

でも、私も立膝は「その内なれるから」と言っていますよ。
苦労して、疑問に思って、色々な人に話を聞いて、調べて、気付くことが大切だと思っています。
教わるままで終わるのではなく、それを自ら消化して、納得した業にしないといけないと、いつも思っています。

上記「ミツヒラ」さんも膨大で貴重な資料の中から気付きをくださる素晴らしいサイトなので、ぜひ覗いてみてください。

投稿者 空穂 : 2011年9月19日 22:10

いつもお世話になります。

質問しては、持論ではなく、一般論でお茶を濁したり、確認すると言ってほっぽらかされたりしております。
あまり質問せず、深く考えず、自己を出さず、の方は素直と言っておられるようです。

ミツヒラさんの御紹介ありがとうございます。

私の疑問点が次々に解決して行きました。
まだ気付いていないことも、わかりやすく助かりました。
今までのストレスがやっと解消し始めました。
スゴい方ですね!!

業を見て盗めと言われても、ある程度の下地(知識)が無いと難しいと思っております。

舌切り雀の大きなつづらの中には、大きな器が入っておりましたが、あまりに大きく深い器なので、中身がいっぱいになかなかならず、回りの人に中身を分け与えるまで行かないのでした。

そんな感じですので、質問どころか人が減っておりますよ。
私も心配です!

投稿者 月のうさぎ剣士 : 2011年9月19日 23:43

>月のうさぎ剣士さん
業を盗むには、やっぱり自身がそれなりの下地を持っていないと難しいですよね。

初心の頃は、業を覚えるだけでなく、
業を見る目を養う、業を考える頭を養う、業に対する知識を養う
ということを大切にしてほしいと思っています。

それにしても、人が減るのは困ったものですね。

投稿者 空穂 : 2011年9月21日 08:59

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