2009年6月 8日
森見登美彦 / 恋文の技術
森見登美彦さんの「恋文の技術」を読み終わりました。
研究のために京都を離れ能登鹿島臨海実験所へと行くことになった男が、文通武者修行と称して、恋路に迷う友人へ、あるいはかつての教え子へ、あるいは京都に住まう偏屈作家へと方々へ手紙を送る。
目指すところは恋文代筆業の起業か、愛しい人への恋文か……。
守田氏の一方的な視点でありながら、返信まで想像されて、刻一刻と変わっていく状況に声を出して笑ってしまいました。
特に大塚緋沙子女史との手に汗握る戦いと、本質をつく妹とのやりとりが面白かったです。
相変わらずの京都周辺に限られてしまう狭い世界のモリミーワールドなのですが、こういう視点は新鮮でした。
実際には出てこないけれど個性的な登場人物の皆さんも素敵です。
今回の作品に出てきた「天狗ハム」、なんと金沢に実在するメーカーなんですね。
投稿者 utsuho : 2009年6月 8日 21:41 | 読書
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コメント
空穂さん、こんばんは。
可笑しくて何度も笑いながら読みました。
恐るべし大塚さんとの攻防ハラハラしましたね。
天狗ハムはいつか食べてみたいものです。
投稿者 雪芽 : 2009年6月 8日 22:23
こんにちは。
二手も三手も上をいく大塚さんおそるべし、ですね。
どの章も阿呆にあふれて、ちょっぴり胸をえぐられるようで、楽しい一冊でした。
天狗ハムのことは、雪芽さんのBLOGで知ってビックリしました。
いかにも森見作品に出てきそうなネーミングですよね。
投稿者 空穂 : 2009年6月 9日 10:08