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2008年11月 5日

有川浩 / 図書館戦争

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一、図書館は資料収集の自由を有する。
二、図書館は資料提供の自由を有する。
三、図書館は利用者の秘密を守る。
四、図書館はすべての不当な検閲に反対する。

図書館の自由が侵される時、我々は団結して、あくまで自由を守る。
「図書館の自由に関する宣言」より

有川浩さんの「図書館戦争」を読み終わりました。

公序良俗を乱し、人権を侵害する表現を取り締まる法律として「メディア良化法」が成立し、その検閲権に対抗するために成立した「図書館の自由法」。
その両法の施行から三十年が経過した正化三十一年。
良化特務機関と図書館の抗争は激化し、良化隊、図書館員ともに銃火器で武装している世界。

主人公の郁をはじめ、同僚の柴崎、上司の堂上や小牧といった人々がみな個性豊かで楽しく読めました。
それぞれに思惑があり、激突したりすれ違ったり、活き活きとした描写に引き込まれました。
ただ、難点を言えば「敵方」の個性が弱いですね。良化隊にも魅力的な悪役がほしかったです。

冒頭の「図書館の自由に関する宣言」は、実際に日本図書館協会の綱領として、図書館に掲げてあるそうです。
ただ、そこからこんな銃弾飛び交い汗の飛び散る熱い物語が作り上げられてしまうのはすごいですね。

投稿者 utsuho : 2008年11月 5日 19:02 | 読書

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